二輪二足での
週末遍路行

旅の方法



 今まで諦める理由にしていたのが時間の問題。
 これは通しで考えていたので無理だっただけのこと。

 自分の住んでいる四国内での旅なのだから、休日毎に繋ぎながら進めば何の問題も無い。
 行ける日に進める所まで進み、鉄道・バスを使って中断・帰宅し、次の休日に中断箇所から進めばいいだけなのだ。

 ・・・と、気楽に考えてはみたけれど、 よく考えてみると、この方法でだと結願までにかなりの時間がかかってしまう。

 全工程が、ルートにもよるが約1100〜1400Km。
 僕の体力だと、山道を歩くことも考えると一日平均20Km前後を歩くのが限界だろう。
 大雑把に計算しても60日近くはかかってしまう。
 毎週末(土日)行ったとしても7ヶ月。
 これは毎週土日に動けた計算で、現実には半年は日曜しか休みが無いので、大雑把に考えると1年かかることになる。
 さらに、毎週末遍路旅に出られるわけも無く、月2回旅に出るとしても2年間。

 また、鉄道などで行き来しながら繋ぎ繋ぎ進むことを考えると、休みの日全部を遍路行程での移動に充てられる筈も無く、中断箇所からの帰宅や、家から中断箇所への移動なども考えていくと、旅を終えるまでに3年以上かかってしまうだろう。

 ふとした思い付きで始める旅である。
 長い期間をかけて、続くのだろうか。

 次に、情け無い話だが、体力の問題もある。
 一日中歩き続ける脚力など、今の僕には無い。(・・・恥ずかしい・・・)
 もし歩けたとしても、後日のことを考えると・・・

 このように、時間・体力のことを考るうちに自然と旅の足として思い付いたのが自転車である。
 幸い、僕は通勤用(・・・と、いうより飲酒用)の折り畳み自転車を持っている。
 これを使わない手は無い。
 自転車であれば、当然徒歩より一日の移動距離は伸びるし、折り畳みなので輪行(自転車を手荷物として鉄道・バスに持ち込み移動すること)もできる。
 僕のやろうとしている週末遍路行に、これ以上の”足”は無い。

 僕は中学の頃はちゃりだーだったので、ちゃり旅は懐かしい気もする。
 当時乗ってた26inchのサイクリング車と、今乗ってる16inchの折り畳み街乗り車とでは全く違う車にはなってしまうが、先を急ぐ旅ではない。
 の〜んびり走るには街乗り車の方がいいかもしれない。
 登坂能力は無いに等しいので峠超えでは押して歩くしかないだろうが、元々歩きたいと思っていた旅である。
 それに、峠を超えれば爽快な下りがやってくる。
 汗も疲れも一気に吹き飛んでくれるだろう。

 夢によって思い付き、実現に向け色々と考えが浮かんできた”週末遍路行”。
 色々と考えて何もせぬまま治まる性格ではない。
 早速、次の日(7月9日)から用具の買出しに走るようになり、実現に向かって突き進んでいったのである。


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